【第1回】ジャンプ少年だった小学生時代 『マッシュル-MASHLE-』甲本一先生に聞いてみた

ある日、古本屋で出会った一冊の漫画。それが、その後の甲本先生の人生に深く影響を与え続ける一冊となる。

2024/03/16


――最初に漫画を読んだのはいつ頃ですか?

甲本
先生

小学校1年生ぐらいのときに、古本屋で『ボボボーボ・ボーボボ』(以下:『ボーボボ』)を見たのが初めてですね。そこからハマって単行本を集めるようになりました。

 

――ほかにハマった漫画はありましたか?

甲本
先生

『銀魂』や『アイシールド21』にもハマりましたね。小学生時代はずっと「ジャンプ」少年でした。

 

――その頃、漫画家という職業を意識していましたか?

甲本
先生

意識していたと思います。僕はその頃から絵を描くのが好きで、自由帳にコマ割りのない漫画みたいなものをずーっと描いていました。

 

――それは、友だちにも見せていましたか?

甲本
先生

絵が好きな友だちと、お互いに描いたものを見せ合っていましたね。小学校2、3年生の頃だと思います。

 

――それからずっと絵を描いたり、漫画を読まれたりしていましたか?

甲本
先生

漫画はずっと読んでいましたし、小学校の高学年の頃になると、『NARUTO -ナルト-』の模写をよくしていました。

 

――初めて漫画を描いた頃の思い出は?

甲本
先生

小学生のときに、目黒にある、画材・文具の専門店「世界堂」に母に連れて行ってもらって、初めて原稿用紙を買ったのを覚えています。母は美大出身なので、必要な画材をいろいろと教えてくれましたね。Gペンやミリペンも買って、アナログで描いていました。

 

――それらを使って漫画を描き上げたんですか?

甲本
先生

まだ模写でした。小学生ながら『ボーボボ』のデザインがカッコいいなって思って模写をしていました。ストーリーを作り始めたのは、中学校の頃ですね。

 

――そのタイミングで本格的に漫画を描き始めたきっかけは?

甲本
先生

漫画賞に応募するためには、話を作らなきゃいけないと思ったからです。そのときのストーリー設定も、真似から入ったと思います。「襲われている村を助ける」みたいな(笑)

 

――その漫画はバトルものですか?

甲本
先生

バトルというか『ワンパンマン』みたいなやつですね。主人公はサイタマのような感じで、尾田先生の読切『一鬼夜行』に近い雰囲気の設定の漫画。それを高校1年生のときに描いて応募しました。

 

――どうして漫画家を目指そうと思ったんですか?

甲本
先生

自分はサラリーマンになるのは難しいだろうなと思ったので。僕、学生の頃からまぁまぁな人見知りで、気分で学校を休んではゲームしたりとかしていたんです。その頃から、自分は社会性が著しく欠けているなと、うすうす感じていました。なので社会人はちょっと無理かもって…。

 

――サラリーマン以外、ほかにも職業があるなかで、なぜ漫画家を選んだんでしょうか?

甲本
先生

やっぱり漫画が好きだったからですね。お笑い芸人も考えていましたけど。

 

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次回、漫画家を本格的に目指した甲本先生を襲う試練とは…。

  1. 【第1回】ジャンプ少年だった小学生時代
  2. 【第3回】漫画賞に再挑戦! 2年後に連載スタートへ
  3. 【第4回】目標に期限を決めて、死ぬ気で自分を追い込んだ
  4. 【第2回】漫画家を諦めて、普通の学生生活を送る

甲本一先生 Komoto Hajime

漫画家。第89回赤塚賞で『爆裂面接試験』が佳作受賞(柏崎康一名義)。2020年~2023年、週刊少年ジャンプで『マッシュル-MASHLE-』連載。

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